引越しのご挨拶

子が生まれたのをきっかけにこの度戸建てに引越しをしました。

引越しとはいっても200mほどなので、業者は使わずに友人の力を借りて手運びでの移動となった。

縁あって知人の紹介で引越したこの物件、昔ながらの日本家屋で築50年とも80年とも言われており、畳部屋はもちろん、土間や漬物小屋、お蚕部屋まである上伊那地域伝統様式の家だ。今日流行っている古民家“風”ではなくモノホンの古民家であり、(とてといい意味で)中々年季が入っている。

なにか不備があっても修理は自分でやる代わりに、自己責任でどのように扱ってくれても構わないとのことだったので、引っ越して以来、余裕のある時にチマチマと手を加えている。

その中でも、一番最初に取り組んだのは土間の改修だ。すでに完成したので今回はそれについて書こう。

当初は経年劣化により土間の三和土(たたき)が崩れ、土が丸出しであり歩いた分だけ靴が汚れる仕様になっていた。


土間は約12㎡、デカイ

長年踏み固められてきた三和土も、際の方は完全に崩れている。


三和土。小石なのか土なのかわからないくらいに固まっている。

最初は、本当は昔ながらの方法で三和土を作りたかったのだが、相当な石灰やら苦汁やらを準備しなきゃだし、それを作れる職人も地域にはほとんどいないとのことだったので早々に諦めた。(余談であるが、三和土の主な材料となる苦汁(海水)や石灰(貝殻)は沿岸部の資源を使ってできるものであり、海のない長野県で本当にこの方法でやってたのかは不明だ )

次に、コンクリやモルタルでクールに仕上げようと思ったのだが、その場合はバッキバキに固まった崩れかけた三和土(固すぎてもはや石)を掘り起こし、砕石を敷き、手作業でひたすらコンクリを埋めなければならないらしい。ヘルニア持ちの俺がすると再手術間違いなしなのは明らかだったので泣く泣く諦めた。(土間を玄関兼書斎にしたかっただけに本当に残念)

三和土もだめ、コンクリもだめとなった今回、園芸用品の固まる土を使用して土間を作った。
固まる土。平米単価1500円位。最寄りのコメリで購入。

固まる土を敷いて水をかけるだけというスーパー過ぎるお手軽さが売りの商品だ。消防の先輩と後輩の力を借りて半日かけて作った。水平取りを目視で行い、使った道具はコテとジョウロだけ、職人もびっくりの感性だよりの土間作りであったが、無事に完成した。
まずは大まかにに撒いてコテで均す。


ジョウロをかけるだけで固まり始める。最初に薄く撒いて再度均し、最後に思いっきり撒いた。

完成。奥から手前にかけて作業。徐々に慣れてきたのか手前のほうが綺麗。


完成図その2 俺は少しも作業していないのにさも自分でやったかの様に話すあたり、さすが自分である。

こうして完成した、三和土モドキ(でも成分的にはほぼいっしょのはずだ)。自分で言うのも何だが、中々乙なものである。
作って一ヶ月ほど経つが、ところどころヒビが出始めた。ロクに下地作りもしていなかったのでそんなものだろう。一夏、一冬越して、地面が収縮と膨張をした結果を見てからまた次の手を考えたいところだ。次は縁側の廊下とコンパネむき出しの壁をなんとかしたいがいかんせん金がないのでいい方法を考えなければならない。

と、こんな感じで新しい家でも家族みんなでマイペースに過ごしています。お近くにお寄りの際はぜひいらしてください。

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